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公共工事入札参加のために、ただ何となく仕方なく自社で経審に取り組んではいませんか?
会計事務所から上がってくる税務申告用の決算書を経営状況分析にほとんどそのまま使ってはいませんか?
また、自社ではやらず行政書士に丸投げという会社さんも多いのではないでしょうか?
建設業許可申請の時に代行してもらった行政書士さんに、そのまま経審も依頼するのが当然だとは思っていませんか?
経営者としてこれらは全て、一度立ち止まってじっくりと検討してみる必要がありそうです。
例えば行政書士についても色々と得手不得手があり、建設業許可申請などの手続きと経審については、全く別の種類の業務内容になります。
特に中小建設会社の経審の評点に差が付きやすいのは経営状況分析の点数(Y点)なのですが、財務・会計の知識、経営分析の知識があまりない行政書士ではそれに高度に対応していくことは難しいはずです。
この経審のY点と呼ばれる経営状況分析(財務的な要素)を改善していくことに中小建設会社が中長期的に上手に取り組んでいけば、経審の評点において、ひいては会社の財務基盤の強化という点についても競合他社と明確な差を付けていくことができるでしょう。
もちろん、建設業許可の申請手続きにはそのような財務・会計等の知識はほとんど必要ありませんので、経審には建設業許可申請のときとは別の能力が求められるということですね。
会社の経審への取り組み姿勢として、行政書士や自社の経理や総務に丸投げするのではなく、社長(経営幹部)が中心となって経審を理解し自社の経営に積極的に活用していくことで経営の質を上げていくことができるのです。
経営数字に強い当事務所では、社長(経営幹部)を中心とした関与先様と一緒になって経審の評点を造り込んでいきます。
その過程で会社の財務改善も同時に図られ、そして目指す公共工事を受注し売上アップに繋げていく“経営の好循環”を共に目指していきます。
ただ、なんとなく経審を受けて、そのまま成り行きで公共工事に入札参加している。
これは非常に勿体ない取り組み方だと思います。
目指す公共工事はどの地域のどの団体のものなのか?
どれくらいの規模感のどんな種類の工事を受注していきたいのか?
そうするためには、経審で総合評定値が何点くらい必要なのか?
まずは、そこからある程度明確な目標を定めておかないと、どこまで手間暇かけて知恵を絞って具体的な施策を実行していけば良いのかが分からなくなります。
できれば、いくつかの自治体のどんな工事内容のどの規模感の工事受注を目指そうと、まずは具体的に決めてしまいましょう。
実際に思っているような内容の工事があるのかないのか、受注できそうなのか全く無理なのか動いてみないと何とも分かりません。
もし、動いてみた結果、諸条件から受注が厳しそうなら、少しずつ希望の条件を修正し再チャレンジです。
その繰り返しで徐々に精度を上げていき、焦らず確実に目標に近づいていけば良いのです。
この目指すべきゴールがスケジュールとして定まってくれば、その時期における経審の評点はどのくらい必要なのか、そのためには財務諸表の数字をどう着地させていけば良いのか等、具体的にどう行動していくかが明確になります。
経審は、あくまで受注したい公共工事にたどり着くためのプロセスだと明確に意識していき経審評点の造り込みを行います。
例えば、短期的には工事の利益が少々小さくてもまずは新規参入し一つ目の公共工事の実績を作りたいから、落札の可能性が高くなるように工事の積算をしてみる。
公共工事の実績が全くないのとあるのとでは、一つステージが違ってきます。
何事も0から1に持って行くことが一番大変です。
なので、このような方針も決して間違いではないはずです。
※利幅をただ闇雲に小さくするのではなく、明確な意図をもって、どこまでの数字なら経営判断として有りなのかどうか、しっかりと根拠を持つことが大事なのは言うまでもありません。
その時に利益の概念の捉え方が重要になります。
あくまで経営者の判断によりけりですが、管理会計の思考を取り入れつつ意思決定の選択肢をいくつか持ったうえで、会社全体として総合的に当該工事の利幅について考えたいものです。
まずは、利幅は小さくても実績を早く作って次回以降の受注に繋げていき、いずれ安定的に受注できるようになってから儲けていけばいい、このような方針もあり得るでしょう。
もちろん、初めからしっかりと利益の取れる工事を受注していくことが良いのは当たり前ですが、初めての公共工事の受注に苦戦する方が多いのが現実で、そこは会社の経営方針、何を選択していくかの話になってくると思われます。
経営の道に正解は一つだけとは限りません。
それぞれの会社によって、外部環境も内部環境も違いますし、あの会社がこのやり方でうまくいったから当然に自社も同じようにうまくいくわけではありません。
また、安全志向で行くのか、少々リスクをとりつつ成長スピードを早める経営をしていくのかによっても意思決定は変わってくることでしょう。
公共工事の受注状況(売上)が上がるにつれて実績(信用)も積み重なり、もっと大きな工事の受注に繋がっていくことも可能になります。
そうするためには、その過程で経審の評点を年々増やしていく戦略も必要になってくるかもしれません。
「公共工事売上を会社の軸にしていく」 例えばこのようなイメージをもって、その時期々々の経審の目標評点を設定し、計画的に右肩上がりの数字を造り込んでいくという意欲的な経営戦略を掲げる社長さんもいらっしゃることでしょう。
経審の仕組みをしっかり理解している社長なら、会社として経営の意思決定のあらゆる場面でより良い判断をしていけると思うわけです。
経審には財務的な面とそれ以外の面(技術力など非財務的な要素)がありますが、特に財務面に積極的に取り組み、それらを膨らませていくことにより、より筋肉質な経営体質を造ることができます。
強い経営体質になればなるほど金融機関や信用調査会社などからの評価も上がっていくことでしょう。
評価が上がるにつれ、会社のステージも同時に上がっていくことは間違いなしです。
そして何よりも、潰れにくい倒産しにくい強い財務体質の会社になっていきます。
そのようになればなる程、徐々に大きな公共工事を受注することができるようになりますし、売上もアップしていきますよね。
しっかり守備を固めれば固めるほど(財務体質の強化をすればするほど)、売上も上がっていくのです(攻撃力も上がっていきます)。
もちろん経審の非財務的な要素についても、計画的に技術者の数を増やしていったり、有効な国家資格等の取得をスタッフに奨励したりなどを推し進めていくと、さらに会社の経営力が強化向上していくことは言うまでもありません。
近年では金融機関も事業性評価融資といわれる過去の経営の結果である財務諸表だけにとらわれず、人的資本や知財など知的資産を評価し企業の将来性を見据えて融資していこうという流れも徐々にではありますが出てきています。
デットファイナンス、金融機関からの借り入れといった視点からも、また、経審、すなわち会社の経営力を強化向上させるという視点からも、財務状況と非財務を共に充実させていくことは大変重要だと思われます。
もちろん、経審に注力することがそれらとイコールではありませんが、経審を軸にして、そこから膨らませていき会社の経営力の強化向上に繋げていけるなら、一石〇鳥になるかもしれません。
私の大好きなサッカーというスポーツを例に挙げながらお話を続けさせてください。
サッカーも野球など他のスポーツと同じで各選手にポジションはそれぞれ与えられますが、現代サッカーの戦術では攻撃の選手(例えばフォワード)も前線から当然に守備をしますし、守りの選手、ディフェンダーやゴールキーパーでさえも攻撃に積極的に関与していきます。
現代サッカーにおいては特に攻守の連動が目まぐるしく、それぞれの選手が有機的に絡み合い、ヨーロッパのトップレベルの強豪チームではスピーディーに攻守の連動していく姿が美しいとすら感じてしまいます。
そして、固い守備ができるからこそ、安心して思い切った攻撃参加が可能になるのです!
サッカーが、野球など攻撃と守備が明確に分かれて行われるスポーツとは一線を画すところだと思います。
さて、話を元に戻して、ここでお伝えしたいのは、経審を軸にしたバランスの良い経営についてです。
会社経営の攻守の連動に思いを馳せてみると、経審は経営の攻守の連結環(つなぎ役)に成りうると思うのです。
しっかりと経審、特に財務状況の評点をアップさせていくことで(ディフェンス)、公共工事が受注でき売上が上がっていく(オフェンス)。
そして、公共工事の売上が上がることで(オフェンス)、より資金繰り(キャッシュフロー)も安定していきますし会社の財務内容も改善していくはずです(ディフェンス)。
サッカーでいうところの守から攻、攻から守のスムーズな連動と、日々の経営の取り組みも似ているなと思う今日この頃です(またサッカーの話ですみません)。
経審についてそのように淀みなく経営の攻守を連動させていると思えるのなら、なんだか経審の取り組み方も違ってはきませんか!?
ただし、いくら経審が重要とはいえ、あくまでも手段に過ぎず、決して目的ではありません。
目的は、目指す公共工事を受注し、会社の経営を安定、向上させることです。
将来的にどのような公共工事を受注していきたいのか?
そのためにも中長期的な展望も見据えて経営計画を策定してみることをお勧めします。
公共工事の入札参加資格はカテゴリー分け(ランク付け)されていて、例えば上から3番目のカテゴリーに居続けることが自社の戦略上ベストという判断になるなら、上から2番目のカテゴリーに上がらないし、上から4番目に下がらないように経審の評点を造り込むことが重要になります。
どんどんとカテゴリーを上げていき、工事受注金額を増やし経営規模拡大を図るという戦略の会社もあるでしょうし、逆にカテゴリーを上げてしまったために競合他社はより手強くなり、その結果受注できなくなり売上が下がってしまうなんてこともあるかもしれません。
経営環境は各社それぞれ違いますし、会社の方針(社長の想い)もあるでしょうし、答えも一つではありませんので、経審や公共工事受注の仕組みを熟知して、自社に“よりベター”な意思決定をすることが肝要です。
経審・入札参加(公共工事受注)を軸にした会社の将来展望を具体的に経営計画に落とし込み、これを粛々と実行し実現していくことが会社経営にとって大変効果的で意味のあることだとここでは申し添えておきます。
少し注意事項があるとすれば、経審の、特に経営状況分析を軸に据えて財務改善をしていくこと、そして目指す公共工事を受注して売上を上げること、それが経営力の強化向上に繋がることは疑いないことだとは思うのですが、金融機関との付き合い方、借入戦略については、非常に悩ましい問題だと考えます。
建設業の業種特性上、多くの会社は金融機関から借入をしています。
特に工期の長い工事においては、材料の仕入れや外注先への支払いなどコストが先に立つことがほとんどなので、運転資金の借入は当然に皆さん行っているところになります。
借入することが経営上良いか悪いかというと評価は分かれるとは思いますが、我々としては上手に金融機関とお付き合いをし、借入を積極的に活用することによって会社の成長スピードを上げたり経営の安定に繋げたりと、金融機関を積極的にうまく活用するのが良いと考えます。
しかし、公共工事の受注を目指す建設会社にとって、借入が増えれば増えるほど、経審の評点は悪化する傾向にあります。
この点についても、経審や公共工事入札について仕組みを熟知しておけば、いつのタイミングでどのくらいまでなら借入可能なのか、入札参加して格付けは維持できるのかなど、悩ましいところではありますが、都度都度手探りながら慎重に意思決定していく指針になります。
昨今のコロナ禍においても、また、この災害国家日本で会社経営をしていく上で、本当にいつどんな危機が突然訪れるかは誰にも分かりません。
それだけに、リスクマネジメントとして金融機関との日頃のお付き合いも大切でしょうし、経審との兼ね合いもあるでしょうし、バランスの良い上手な経営が求められるということになるのでしょうか。
当事務所は東京都を中心に神奈川県、埼玉県、千葉県の経審・入札参加申請に強い建設業許可専門の行政書士事務所として、建設会社様からの様々なご相談に日々対応させていただいております。